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昨日21時からWOWOWで放映されたアカデミー賞授賞式ですが、
ウーン…………「地味だなー!」というのが率直な感想でした。
すっごくテレビ的に「よどみのない進行第一!」という感じで、
「感極まって涙の受賞コメント」
「ここぞとばかりに言いたいこといいまくる受賞者」とか
おなじみのハプニングが(放映された限りでは)一切なかった。
いや、キワモノ期待してるわけじゃないけど、「お祭り感」に乏しかったなあ。
なんというか、「米映画組合の賞」というのが物凄く納得できちゃいました。
編集の問題かもしれませんが、客席に居並ぶハリウッド・レジェンド的スターの
露出もかなり少なくってガッカリ。
まあそれはさておき、箇条書きでザッと気になったことを列記してみます。
●司会:ジョン・スチュワート
自身がホストのTVショーがアメリカでは大人気ということだが、
対映画スターで司会張るには……器がちっちゃかったんじゃなかろうか!?
結構雰囲気に呑まれてる印象で、なによりも授賞式をテレビ的に
小さくまとめちゃってたなあ。トークも進行ももちろん滑らかなんだが、
スターのコメントが終わってこの人に画面が変わるたび、
不思議なことにテレビの裏側を見せられてるような気分になる。
「はい巻いて巻いてッ!」「次はどこそこから中継」「35秒つないでください」
そういう指示がテロップが見えないところでイッパイ出されてるんだろうなーというのが
見えちゃう。全世界配信の番組で、絶対に失敗が許されない番組とはいえ
もっとタップリ余裕を持ってお祭り騒ぎを盛り上げてほしかった。
ただウケちゃったのが
「悲しいお知らせが入りました。こちらに向かっていた
ビョークさんがウズラに間違われてチェイニー副大統領に狙撃され重症、
会場入りできないそうです」というギャグ。いうまでも無く
以前ビョーク様がお召しになった「白鳥ドレス」をからかってるんですね。
やはりあれはハリウッドの人々ですら度肝を抜かれたのか……。
●世界三大お直し美女決定
カントリー歌手で、傑作コメディ『9時から5時まで』『ストレート・トーク』などで
コメディエンヌとしても大活躍している彼女ですが、
いやはや……これが世界最高レベルのメンテナンス技術なのですね。お顔パンパン。
ご尊顔を拝した瞬間に「ゴールディ・ホーン→ドリー・パートン→弘田三枝子」という
「世界三大お直し美女」というラインナップが頭に。だからなんだ。
ドリー・パートン先生
●ジョージ・クルーニー、ナイスコメント!
助演男優賞に輝いたジョージ、いきなり
「ああこれで監督賞はもらえないんだなあ!」とつかみはOK。
それから「どうやったら演技を比較できるのか私にはわからない、
同じ役を演じない限り無理だ」と軽くパンチ決めといて、
共演者とスタッフへの感謝、そして他のノミニーに対する賞賛をサラリと述べる
スマートなコメントを披露。長さ的にも内容もベストだったと思う。大人の男だなあ。
●キャサリン・キーナー
映った瞬間「なぜここに田中真紀子さんが」と真剣に思ってしまいました。
いや冗談です。ホントに素敵な女優さんなんですよハクオー大好き!
所属:越山会
●おんとし82歳、ローレン・バコール
ハリウッド・ヒストリーをやたら振り返った今回のアカデミーナイト、
「フィルム・ノワール」の数々を紹介するさいのホステスとして登場
(『ミザリー』に出てくる編集長役、といったら思い出す方も多いだろうか)。
晩年のキャサリン・ヘップバーン先生もそうだったが
「常に体がかすかにシェイク」状態になっていたのが激しくスリリングだったが、
滑舌はまだまだハッキリ、「ザ・ルック」も健在でひとまず嬉しかった。
●華麗なる女優達
多分オスカー・ナイトというのは女優達にとって
「今日綺麗にしないでいつすんのよッ!」てなぐらいの桧舞台なんだろう。
つまり昨日の映像が各人の「今の美女度MAX状態」な訳だ。そう思って見てみたが……
サンドラ・ブロック:あら……ちょっと顔変わったような気が……。
ハリウッドの場合それでも「なんの不思議もない」ところが返って怖い。
キーラ・ナイトレイ:私的に一番のベッピンさんでした。
21歳、「時分の花」真っ盛りですね、『ベッカムに恋して』の女の子が
こんな綺麗になるとは。
ニコール・キッドマン:最初に助演男優賞のプレゼンターで登場、
もはや押しも押されぬ大スターですが、私この人ほど「演じてないときは抜け殻」と
思う人もいませんね。お人形さん、という感じ。マネキンっぽい。
そういう意味で「楠田枝里子」的だがあちらはオールウェイズ無機質。
ジェニファー・ロペス:先生、「上腕二頭筋」鍛えすぎです。
それ以上腕っぷし強くしてどうするの。
多分今のシュワルツェネッガーなら腕相撲で勝てるはず。
ジェニファー・アニストン:頬コケてました。それだけで誰も何も言ってないのに
「あら……痛々しい……」とか思っちゃうから余計なお世話ですね。
シャーリーズ・セロン:「あたしはトップ女優」という気概では一番の貫禄を見せてくれました。
中央一番前というグッド・ポジションでまあ映る映る。アイラインもアイシャドウも
「いつもより余計に入れております」という気迫タップリ。素晴らしいそれでこそ女優。
というか全体的に女優ドレスがよく言えばスタイリッシュ、悪く言えば地味。
ダメでしょハッチャけなきゃあ。今日ド派手ドレス着ないでいつ着るの。
絶対みんな持ってるはず「やっちったよ……」とひとり溜息つく
「あちゃー」なドレスが。出して出してッ!
シェール先生の極楽鳥ドレスのような素晴らしい衣装はもう見れないのだろうか……。
●もう誰も何もいえないのでしょうね
名誉賞に輝いたロバート・アルトマン、プレゼンターはなんと
メリル・ストリープとリリー・トムリンの二人。いやーリリーって私大好きで。
最近だと『ハッカビーズ』という映画で怪演してましたが、
一挙一動になんともいえないおかしみが漂う。ハッキリ言って変な顔なんだが、
生まれつきの造形を「笑い」や「商品」に変化できるというセンス、
女優には少ない才能だ。『ビッグ・ビジネス』なんて最高のコメディですよ。
と、思いっきり話がズレましたが、メリルとのかけ合い漫才がもう最高。
超「台本」トークなんだろうけど、あれこそが芸ですね。
ロバートのフィルモグラフィを言うだけなんですが、
二人とも会場を丸呑みしちゃうような貫禄で笑いを誘ってました。
さて、最後は大御所でしめましょう。ラストに作品賞の発表で現われたプレゼンター、
ジャック・ニコルソン。こんな大物でさえ「テレビ進行」におとなしく従ってる印象で
パパパッと発表しちゃって。もっと大見得切ってほしかったなあ。
唯一、ノミネートされている作品のひとつ、「グッド・ナイト&グッドラック」を
感情を込めて読み上げた瞬間、帰ろうとしたのは笑ったけどね。
なんだかしまりませんが、以上オスカー雑感でした。
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●追記
日本版司会は藤原紀香と伊原剛志だったが、
冒頭と終わりでサラッと語るだけ、実にシンプルな作りでとてもよかった。
これだけならアナウンサーでよかったのでは!? というぐらい二人とも
出ない出ない。お疲れさまでした。