司会者なのか、コメンテーターなのか。

その勢いはどこに



 自宅に放火して両親・息子を焼死させた母親のニュース、昨日聞いた人も多いんじゃないだろうか。
「子供を置いて夜遊びに行くな」
 そう親に注意されたことが引き金となった、というあまりにも幼稚で短絡思考の犯罪だったよう。このニュース自体については色々思うこともそりゃあるけれど、私が今日書きたいのは「報道ステーション」における古館伊知郎キャスターのコメントのことだ。
 うーん……あまりにもマジでつまらない意見かもしれないが、書いておきたい。

 概要をVTRが伝えた後、結びに彼はこう言った。
「こういった犯罪に走る大人たちを見ると、戦後団塊の世代が行ってきた教育、そして行政のありようにも問題があったのではないかと思います」(録画してたわけじゃないので正確ではないが、ほぼこんな内容)

 どっ……どうして? どうしてそんなこと言えるわけ? どうしてそんな大層なことになっちゃうんだ!?
 乱暴な言い方だが、この女がただ単にひとりで勝手にバカで、そして死人に鞭打つようだが、ここの両親の教育が至らなかっただけじゃあないか。ごくシンプルな家庭の問題じゃないか。ひとこと、「子供もロクに教育できない親の末路」「自己中心的な人間の自堕落な犯行」ですむことでしょう。なんで世間のせいなんだ!?

「なんでも社会的考察つけたがるコメンテーター症候群」と片付けるのは簡単だが、私が覚える違和感ってのは「本当にそう思ってんのか!」ってことなんだよなー。よしんば本当にそう思ってるなら、いい。でも嘘だよう、あんなにコメントの才能ある(あった?)人が、こんなイージーなこと言っちゃうなんて……プライド捨ててるなあ、仕事流してるなあ。なんの独自性もオリジナルの考察もありゃしない。ああ、ものすごく「安全地帯」の人になってしまったんだなあ!
報道ステーション」という名前に縛られてこういうノリになっちゃうのは、判る。でもそれは「ニュースショー」にとっても古館自身にとっても不幸なことだろう。あの思いつきとセンスが一体になった「瞬間修飾語製造機」としての才能、もうだいぶ使ってないよなあ、この人。実況アナウンス能力としては、徳光和夫的な古典芸(七五調のリズム感や落語や新派的言い回しの妙)と福沢朗的なドライで都会的な(ウェットな部分がなくパワーと熱量で押していくような喋り)のちょうど中間にある、非常にバランスのいいものを持ってる人なのに。どんな才能も使ってないと鈍る。早く「みのもんた」的ポジションに移行してほしい。そして存分に喋る彼が聞きたい。

 しかしそれが彼にとって「あがり」なのか「もどり」なのかは分からないけれど、ね。


 うっわあマジになってるなあ、今日。はい、つっまらないテレビ雑記ですね。でも書かずにおれなかった。



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