芸能姉妹の系譜

小朝の仕草もある意味完璧


 先日、春風亭小朝・泰葉の離婚会見について書いた折のこと。

 私は泰葉と姉・海老名美どりに対して
「芸能界広しといえども、ここまで歴史的珍・会見を開いた姉妹はそうそういるものではない!」
 こんなことを書いた。
 本当にどうでもいいのだが、そのとき思いついた「珍・会見姉妹」というフレーズがミョーに気に入ってしまった私。そしてそれ以来、「珍・会見姉妹」に対抗するかのように、芸能界の様々な姉妹たちが頭を去来する……。けっこういるもんだなあ、芸能界に姉妹って。
 今日はいつものようにまったく意味がないが、そのへんをちょっとまとめてみたい。



 まず真っ先に思い浮かんだのが
「芸能界広しとえいど、ここまで芸風の違う二人も珍しい倍賞千恵子・美津子姉妹」
 これである。ここまで陰と陽がハッキリ分かれた姉妹ってもそうそうないだろう。この二人のフィルモグラフィを比較してみると面白いですよ、個性の差が如実に出てます。
例:「旅路 村で一番の首吊りの木」(千恵子)
「生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言」(美津子)。お見事。


 それからなぜか続いて出てきたのが「苗字を変えてみました姉妹・五月&小松みどり」。姉妹なのに同じ名前、そして違う苗字。「そうきたか」と不思議に感心してしまう……って、どうでもいいが私、小松みどりってもう20年ぐらい見ていない気がする。お元気ですかー。



 問題:この人はどっちでしょう?


 さらには「消えてしまった片割れシリーズ」として、「音無真紀子・古手川伸子・原田貴和子」という三人が思い出される。この方達もデビュー当時はそれぞれ「音無美紀子古手川祐子原田知世」と共に「美人姉妹女優」としてもてはやされていた。どこいってしまったのか。私の大好きなロングヒット企画・アサヒ芸能「あのいい女どこいった」特集で探してくれないかなあ。
 芸能人で、それぞれ人気もあって実力も伯仲する場合、「姉妹」というのはどういう存在になるのだろう。以前「真野響子真野あずさ」姉妹が「笑っていいとも!」のテレフォンショッキングに出た際、


タモリ:「妹さんも綺麗だけど、いやーお綺麗ですねえ!」
響子:「いえ、妹はとてもいいと思うんですが、私の顔は嫌いです」
(次の日)タモリ:「いやーお姉さんもいいけど、綺麗だなあ!」
あずさ:「姉は本当に綺麗ですけど、私はちっとも似てない」


 こんなやり取りをしていたのを興味深く聞いた。その頃子供だった私は「単なる褒めあい」と半ばイヤミっぽく聞こえたが、今思うと中々に複雑にして玄妙な発言だ。お互い小さい頃から「綺麗だね」といわれて育った姉妹。そして共に女優を選んだ二人というのは、お互いをどう思うのだろう。いつでも、いつまでも接頭語のようについて回る「お姉さん(妹)も○○だけど、あなたも――」という文句とは。


 と、思うと最初に挙げた「ここまで個性の違う姉妹も珍しい・倍賞千恵子&美津子」というのは大変聡明というか、当然の帰結のような気がする。どうしても比較される以上、同じようなラインを目指しても仕方ない。姉がホームドラマ系、清純系で行くなら私は――そんな思いがあったのだろうか。
 そう、「姉が五月でいくなら、私は小松で!」とみどりも――ってフザけちゃいけませんね。と、なんの理由もなく芸能界の姉妹たちに思いを馳せてみました。最後は芸能姉妹といえばこの方たち、素敵な表情でシメを飾っていただきましょう。


















 
由紀さおり安田祥子姉妹


歌声は永遠に。ありがとうございました。



○追記:その系譜


「有名人姉妹」ってのは、戦前に活躍した女優「伏見直江・信子」あたりが多分さきがけになるんだろう。直江さんは、サイレント時代の伝説的なヴァンプ女優さん。それから「月丘夢路・千秋」「左幸子・時枝」「吉村真理・実子」「岩井友見仁科明子」といったあたりが有名どことして続く感じ。こんなこと列記して何になるんだ。それからグーッと下がって歌手・アイドルの姉妹が増えていく。「岩崎宏美・良美」「荻野目慶子・洋子」「中山美穂・忍」……このへんもお姉ちゃん強し。中森明菜の妹(明穂)というのも一時デビューしたが、アッという間にいなくなった。うーん、誰か忘れている気がする。ヌケがあったらどうぞ教えてください。


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