「音読み」の男たち

結婚当時かな


 ちょっと日にちが経ったからといって、不謹慎の謗(そし)りを免れるものでもないと思うが……書いてみたい。

 私は先日、急逝した黒川紀章についての文章を、このブログに書いた。
 そのとき書いたことも、実際に黒川氏の訃報に際し、心に浮かんだこと。けれど、「黒川紀章」の文字をテキストで打ち込むたび私は……「ホントは、『のりあき』なんだろうな。名前」と、思わずにはいられなかった。
 ノリアキからキショウへ、ドラスティックな変化。いったい何が起こったというのか、ノリアキ。いや、キショウ。


[:]
 名前を音読みさせる男、というのは少なからずいる。
 同じ「ノリアキ」の後輩格としてはまず「加納典明」。そしてフォトグラファーにして、音読み界の大御所ともいうべき「篠山紀信」に繋がっていく。

「音読み」というのはアーティストの心の琴線をかき鳴らすのだろうか、「三宅一生」という人も思い出される。「ミヤケ・イッセイ」うーん世界的デザイナーって感じ。「みやけ・かずお」宇都宮あたりの郵便局員みたいである。ちいともファッショナブルではない。


 しかしだからといって単純に「音読み=アーティスティック感倍増」というわけでもない。「古谷一行」を例に取れば、「ふるや・いっこう」「ふるや・かずゆき」……さして変わらない気がする。「いっこう」繋がりで思い出されるのがブレイク中の「IKKO」。この方は「音読み+ローマ字表記」という更に上をいくテクニックで、見事に「よく考えたらすごい女装」という事実を煙に巻いている気がする。「音読み+ローマ字」だけで「第3の性」をなんとなく認知させている。ボーヴォワールもそりゃビックリである。
 あと思いつくままに鈴木清順吉田喜重小池聰行岸辺一徳、最近話題の山田洋行などなど。ムリクリ共通点をつけられないこともないが、根本的に「周囲がそう呼ぶうち定着してしまった」タ
イプと、「自分で押し通した」タイプの二つに分けられますね。それによってイメージが全然違う。
 もちろん「IKKO」は後者。キショウは……どっちのタイプだったのだろう。なんにもまとまりませんが、そんなことを考えてしまった夜でした。



 どうしてこの手の方々って「アール・ヌーボー」とか「ロココ」(っぽい)ものがお好きなんでしょうね。


○昨日の泰葉
ちょっと直しました。


○お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815
ご意見などはこちら→hakuo-a@hotmail.co.jp