森繁久彌のアブセントなのにアライブな存在感

文化勲章受章者



 8月3日。私の心に浮かんだある情景。
 なんていうか……「芸能」というパチンコの台が大当たりしちゃって、「おいおいいったいどこまで玉出るんだよ!」ってなぐらいジャンジャカ出るわ出るわ。なんていうんですか、今パチンコ台って中に画面みたいなのありますよね。あの中で「前田忠明」や「福岡翼」や「おまきさん」がフィーバーしちゃって大騒ぎしているような、そんな変な絵が脳裏に。さぞかしお忙しかったことでしょう。
 不謹慎は承知ですが、これだけ芸能ネタが粒ぞろいに「大放出」された日も珍しい。



 午前中、ヤフーニュースの小さなインデックスに浮かぶ「森繁久彌」の文字を見たときの、私の驚きっぷりを想像してほしいものです。
「あわぁ!」
 なーんて変な声出しちゃいましたからね、「え、エックスデーだ、Xデーだ!」などと慌てふためきよく見れば、「風邪で入院」の文字。


 ああ、よかった……と胸をなで下ろす自分に驚く。あはは、知らなかったよ……そんなにモリシゲのこと好きだったなんて(笑)。
 好きだったというか……森繁久彌という人の不思議な存在感が好きなんだ。アブセントなのに、アライブな感じ。滅多に、というかもうほぼ出てこないけど、追悼コメントやら「2次元な露出」は多い。誤解を恐れずにいうけれど、そういう「状況」を私は面白がっている。


 面白がっていいんだと思う。あれらは、ネタだ。本人絶対分かっている。
「生きているらしい」「ほんとか」ということがネタになる。
(余談だが、友人など「最近の露出はすべてホログラム」とまでいう始末。ちょっと前の「徹子の部屋」では「今日はモリシゲ先生に是非来て頂こうと思っていたんですけれど、まだお寒いので風邪でもおひきになられては大変なので、春までお待ちすることに致しました」という素晴らしい理由で視聴者を煙に巻いていた)


 そんな人は、山田五十鈴とこの方だけだ。二人は業績の凄さはもちろんだけれど、ガンガン出てらした頃から、人を喰ったようなコメントを連発されていた。モリシゲならワザとボケたふりをしたり、ベルさん(愛を込めて、山田先生の愛称で)なら、古い写真を出されると「あれは先代」とのたまったり。
 そういうスッとぼけた部分を露出が減っても楽しめるなんて、勝手な思い込みだが、芸人(二人はこの呼称を愛していると私は思う)としたらサイコーじゃないだろうか。そういう部分を、もうちょっと楽しんでいたい。
だから、「Xデーか!?」と勘違いして、驚いてしまったのだ。
 長いな……続きは明日。


○蛇足
モリシゲ事務所の人のコメントがおかしかった。
「(お元気そうですか、という質問に対して)96歳なりに元気です」
 さすがモリシゲの事務所……トンチがきいてますねえ。こうありたいものです。


毎日更新!こちらもよろしく→「白央篤司の独酌日記

○お知らせ
ブログランキングに登録。 どうか1日1クリック↓を。
http://blog.with2.net/link.php?198815


○ご意見などはこちらまで→hakuoatsushi@gmail.com