女優・大谷直子さんの「告白」
『週刊現代』(9/5 夏の特大号)に驚かされた。
この中の特集『脱いだ女 脱がなかった女の50年史』でのこと。はい、なんだかすごいタイトルですね。「いやらしい……だからポストとか現代ってキライよ」と眉をひそめるご婦人もいらっしゃいましょうが(いないか)、これが結構いい読み物だった。
『高校生ブルース』の関根恵子を皮切りに、『盲獣』の緑魔子、『同棲時代』の由美かおる、『青春の蹉跌』の桃井かおりといった人々が映画の中で「脱いで」いく。
単なるスケベ記事なら、この映画であの女はおっぱい出している、お尻も出しているという事実の列挙で終るだろう。けれどこの記事は、「映画女優が脱ぐ」ということはどういうことだったのか、それがどういう反響を呼んだのか、その辺を見つけようとしている。
70年代という時代と、映画とのスタンスが読んでいるうち浮かび上がってきて、面白かったのだ。
さらには丁寧に、出来る限り女優さんにインタビューをしているのが嬉しい。
由美かおる、ひし美ゆり子、五月みどりといった面々が当時のことをコメントしているが、文字数が少なくて歯がゆいよ! ここ、もっと読みたかったなあ。
前置きが長くなってしまった。
驚かされたのはこの記事自体じゃないんです。岡本喜八監督の『肉弾』の思い出を語る、女優・大谷直子さんの「告白」だ。
詳しく書いてしまうと一種の「営業妨害」になってしまうかもだが、大谷さんはがんであることを「週刊現代」の場を借りて告白されている。それも、悪性リンパ種であることを。
「同じ病気で苦しむ女性が、私の姿を励みにしてくれたら」
そういう思いでお出になられたのだそうだ。最近まで抗がん剤治療をされていたため、世に出ることも控えられていたという。
好きな女優さんなので、衝撃だった。あの、思いつめたような強く、美しい瞳をまた観たい。
心から、快癒をお祈りしています。
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