見納めだった道成寺
当たってほしくない予感が、当たってしまった……。
歌舞伎俳優・坂東玉三郎、現代最高の女形のひとり。彼が自身のHPで、舞踊『京鹿子娘道成寺』の封印を発表した
「(今年11月の)八千代座の公演が最後と考えております」
熊本県の山鹿市にある芝居小屋、八千代座で玉三郎は毎年公演を行っている。今年は『道成寺』と聞いたとき、瞬間「テストだろうな」そう、直感した。
12日間の公演で、自分の今の肉体にとって『道成寺』はどういうものなのか。それ如何で、今の歌舞伎座ラストの公演に出すかどうかを決めるのではないか、そう思った。
多分そうだと思っていたけれど、「もうやらない。もうできない」という結果となったと思うと……哀しい。
もう観られないのか。
残念ながら私が鑑賞した日の出来栄えは、決して褒められたものではなかった。
(そのへんのことは以前の日記を参照してください→こちら)
しかし気力が充実していれば、まだまだ魅せるポテンシャルは存分に感じられた(だから失望も大きかったのだけれど)。
「最後と考えております」
うーん……このお方、以前は確か「50歳で引退」(40歳だったかもしれない)ということも明言されていたが撤回されているので、ひょっとしたら「一日きりの特別公演」でやることはあるかもしれないが……歌舞伎座の寸法で、もう一度だけ観たかったなあ。悔しくて、切ない。
花はいつかしおれてしまうから美しいのだけれど。
こんな寒空の下、世田谷でクレマチスが咲いていた。
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