桂枝雀、桜満開、俳句メモ

 夕飯の支度をしつつ『桂枝雀落語らいぶ4』より「饅頭こわい」を聴く。
 この有名な噺、初めて聴きました。35分もある!
 いい歳したおっさんが集まって他愛もないことに熱中していく…というパターン、これを洗練させ都会的にし尽くしたのが小津後期の作品だよなあ。そのほかにも、いろんなブランチがあるだろう。これ、もう誰か本にまとめてるんでしょうか?
 この「饅頭こわい」って初めて聴いたけど、難しそうだなあ…筋とサゲは本当にくっだらないものねえ。ここに作品が本来持っている愛すべきチャームをテンポとメリハリをもって再生させるなんて、至難の業に思える。ある意味ベートーヴェンの後期ソナタを弾く難しさに通じるような。
 カップリングは『崇徳院』。関西弁ってポリフォニックだなあ。桂枝雀という人の繰り出す言葉の音色の豊かさに圧倒される。スフォルツァンド・フォルテからピアニッシシモまで、ハイキーから重低音まで意識的に使い分けてるんだろうけど、言葉のオーケストラ。そういう愉しさ。
 桂枝雀が興奮したキャラを演じて「ハァ…ハァ…」となってるときの面白さってなんなんでしょうね。ゲラゲラ笑っちゃう。子供のときテレビみてて笑ってた気持ちが甦るような。ファナティックな人間を演ってるときの枝雀って本当に凄いなあ…まだ枝雀6つぐらいしか聴いてない。楽しみ。

 とりあえず、一日一句。溜まらない内につけておこう…(;´∀`)。谷崎はまた次にでも。

3/18

 春疾風 負けじのこれる 椿あり



 春疾風、春の嵐をこういうのだそうです。この日は夜、ほぼ嵐みたいな強風でした。ツイッターには「風音が怖いので耳栓をして寝ました」なんて女の人も。今年は強風の日が多いような。
 
3/19

 杉の粉に 悩まぬものの 居づらさよ


 この日は撮影だったのですが私以外かなり重度の花粉症のかたばかり。鼻をするる音がスタジオ内に輪唱のようにずっと響いていました…ずず…ずずず……。私がマスクをしていない時点で「ああ、あなたは平気なのね…」と多分思われていたことでしょう。黙ってました。ええ。ずっと。みな「薬は何を飲んでるの?」「何々が効くわよ」「僕は喉がひどい」「あたしは目…」わたし、へいき。肩身が2歳児ぐらいに狭くなっていました。

 この日はまだ桜も二分〜三分咲きぐらいだったなあ。それが。


3/20

 なだらかな こころを呉れし 小米花


 雪柳のことを小米花ともいうんだそうです。歳時記って面白いなあ。食日記の方につけましたが、この日は知人のお宅でパーティがあり、御苑から若葉の方まで良い陽気だったので散歩してみました。花がもういっぱいで。薄紅葵なんてのも咲いていた。歩く間に一際きれいに咲いていた雪柳。花ひとつひとつが笑っているようでした。しばらく、見入ってしまったのです。春分の日

3/21

 花冷えに 若きはまよわぬ 薄衣


 この日は一転して寒の戻り。辻調理師専門学校の食セミナーに参加。新宿の若者はみんな春のよそおいのまま。若い頃って厚着が嫌いだった。確かに。

3/22

 カメラ持つ 子供見おろす さくら花


 なんと東京は満開宣言! 目黒川の桜はたしかに満開でした…目黒川桜まつり、予定日は4月7日。

 諸桜無常。