『三つ首塔』感想メモ

古谷、ラストしか活躍しません

「三つ首塔」((昭和52年製作 横溝正史原作 監督:出目昌伸 古谷一行金田一耕介を演じるシリーズ)
 やっぱり昭和50年代前半は、すごいッ! どーしてこんなエログロが罷り通っていたんだろう。全4話のテレビドラマですが、やめられなくて一気に見てしまった。筋をザッと書いてみます。本当にザッとですが、今書き出してみて改めてそのキチガイっぷりに、私はキョーガクしてます。昔の人って、すごい。

(注:読む前に「脈絡」という言葉を頭から捨ててください)
1:冒頭、品のいいパーティに突然半裸の女が2人も乱入。「♪ポワーン〜」変な音楽がかかりだす。止めろ。そして頼まれもしないのにベリーダンスを踊り狂う。ひとりが口から血ィ吹いて死ぬ。
2:そして立て続けに二人死ぬ。この時点で超大事件。
3:真野響子がいきなり黒沢年男に犯される。
4:真野響子がいろんな人に誘拐される。そのつど色んな人にビンタされる。
5:小松方正もそのひとり、あの顔で「グヒヒ」とか言い出して響子を手ごめにしようとするが、血ィ吹いて死ぬ。
6:ピーターもそのひとり。なんとピーター、響子(女)を襲う。襲い掛かるピーター、腰が響子よりも細い。
7:小池朝雄と佳那晃子がSMショーを繰り広げる。小池朝雄、そのときシースルーのシャツを身にまとって。イヴ・サンローラン先取り。
8:ピーター、佳那晃子とデキていることが発覚。ベッドシーンで乳房に舌をはわせたりする。私はここで「ギャーッ」と叫んだ。あんなもの幼児期に見なくて本当に良かった。
8:殿山泰司がピーターを愛していることが発覚。「わしを捨てないでくれぇ!」と懇願するも谷底にゴミのように突き落とされる。
9:佐分利信真野響子を愛しているが、実らぬ恋ということで焼身自殺。


 濃い……濃すぎる……作り方を間違えたカルピスのよう。子供の頃「イッパイ入れちゃえ!」とカルピス原液を入れすぎた苦い思い出がよみがえる。しっかし、こーいう情念、怨念の世界を描くに足る人々が豊富にいた時代だなあ。濃硫酸のような役者たちが、こんな荒唐無稽な筋を見事にライブにしている。
 今のジャパン・ホラーって私は詳しくないけれど、特殊技術の発達って、役者からこの手の「濃さ」を吸い取ってしまった一面があるんじゃないだろうか。


ヒロインの真野響子。私はこの人、「ミス・眉八の字」と思っている。いつも哀しそうな表情だが、圧倒的に美しい。「端正」という言葉が似合う人だ。整った、という意味だけではなく、どこか軍人男子のようなストイックさの香る人だ。


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