現代のリスト・西本智実ふたたび

いつでも完璧に決まる

「ぎゃああぁあぁぁあ〜ッ! カァッコいいいぃいぃぃ〜ッ!!」 


 私には、聞こえた。
 今日の1時半頃、日本中のおばさんがウン十年使っていない子宮の底から絞り上げたであろう、その嬌声をッ!
 ご覧になりましたか今日の「徹子の部屋」、指揮者の西本智実さんが出演してましたが……いやーあのマニッシュで貴公子然とした美貌に、さらに磨きがかかっていました。マジですごいんだから。
 と、私は別にファンでもなんでもないのだが、「うわーこれ、一部のおばさんには堪んねえだろうなあ」と心底思った。百聞は一見にしかず、一度動く彼女を見てほしい。1時半頃というのは、丁度指揮の模様のVTRが流されていた時刻。フル・オーケストラを従え、タクトを振り終えたフィナーレ。こぼれる汗をサッと拭くそのお姿にハートを射抜かれたおばさま、少なく見積もっても間違いなく1万人超はいたはず。
 そう、「ポスト・ヨン様」を求めている「妙齢の女性」たちには恰好の人材だと思う。しっかし……西本智実の独得なセンシュアル・ムード、いったいなんなのだろう?


 以前私は、指揮する彼女を見て「リストの熱狂とは、こういうものだったのかもしれない」ということを書いた。と、ちゃっかり昔から注目してたことを自慢なんかしたりして。http://d.hatena.ne.jp/hakuouatsushi/20051111
 今日、タクトを振る彼女を見てやはりある種のカリスマを感じてしまった。聴衆を熱狂させる何かを確かに持っている。しかしそれは、音楽的要因と別な、この人の個性が起因しているのではないか。
不思議な人だ。いろんな美的要素がこの人を構成しているが、そのひとつとして「一般的な女の人」は微塵も持っていないものばかり。ちょっとその傾向をまとめてみたい。基本的に


1:懐かしの少女漫画における「プリンス」っぽい。「ダルビッシュ有」的二枚目
なんですね。ものごしを形容すると、「颯爽」とか「凛とした」とか「端正」とか、今の男にも女にも、余り使われない(というかそういうキャラがいない)ものばかり似合う気がする。さらに


2:とってもヨーロッパな感じなのに、どこか「市川雷蔵長谷川一夫」的。
彼女の指揮、なんか無意識に「流し目」入るんですね。それが「藤あや子的いやらしさ」ではなく、「憂い」とか「哀愁」とかそーいう感じ。私はひそかに彼女を「濡れ髪オスカル」と呼んでいる。そして


3:つくっている感じがまったくない。
これ、これですね。彼女が「宝塚の男役・男役上がり」と一線を画すのは、そこだ。あの世界は無意識の「ヅカ版・男ルール」というのが厳然とある。これについては詳述しないが、あの発声、姿勢、長年の歴史にのっとった演出法などなど。そこをくぐった人独得のクセ・ムードが皆無。ヅカの人たちがどうこう、というんじゃないが何となく、「露地ものとハウスもの」って感じがしちゃって。はい、ごめんなさい。
 いやあ、こーいう人もいるのですね、あの資質にクラシック指揮。まさに鬼に金棒、情緒纏綿(じょうちょてんめん)たるスラブ舞曲なんて指揮したら、失神する女性もいるんじゃなかろうか。いや、冗談ではなく本気で思う。そのぐらい危険な指揮者だと思う。うーん……ひょっとして、その美男ぶりが伝説の域に達している歌舞伎役者・十五代目市川羽左衛門ってこーいう人だったんじゃないだろうか。


○追記
あまりに西本さんの印象が強かったので、今日はこっちを書きました。と、いうか「すれ違う人々」もう飽きてますよね皆さん。笑


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