ご健在・春日野八千代先生

国籍も性別も年代も不明な衣装

 昨日の続き、宝塚のことを。


 知らなかったんですが……春日野八千代先生って、まだたまに舞台立たれているんだそうですね! その筋に詳しい友人から聞いて、すっかりタマゲテしまった。
 すげえ……宝塚に疎い私でも、さすがに名前だけは知っている。戦前からのタカラジェンヌにして歌劇団理事。ヅカにその人あり、と謳われる伝説の男役。


 私が歌舞伎を好きになった15年前ぐらいの時点でもう、半ば“ジョーク”みたいに使われるネームだった。
「春日野先生は実は細川ガラシャ夫人と同い年らしい」
「春日野先生は実はすでに肉体はこの世になく、スピリットだけで舞台に立っているらしい」
「いやあれはすべてホログラムなのでは」
 などと口さがない舞台好き達が、冗談として先生の御名を「=とっても古いこと、年季の入っていること」のたとえとして使っていたように思う。
 調べてみたら入団が1929年! ひえええええ…………生まれじゃなくて、「入団」ですよみなさん。なんと先生、今年で宝塚生活80周年だったのですね。もはや「至宝」というか……「無形文化財」というか、なんというか。


 かつて私はこのブログで、「ニッポン『先生』考」なる文章を書いて「最近の芸能界は弱体化しちゃって、おのず『先生』をつけちゃいたくなる大物、死に絶えようとしてるなあ」などと考えていたのだが(その日の日記が→こちら)……春日野先生を忘れていた。
 先の詳しい友人によれば、年一回の特別舞踊会があって、そちらに例年出演されているんだそう。春日野八千代という芸名はそのまま、『君が代』の「千代に八千代に」から取られたんだそうだが……うーんまさにそのまま、永遠の如き長命にしてご壮健。すごすぎる……。
 伝説を観ておこうかな。





○付記

この春日野先生、なんだか「長谷川一夫」にみえなくもない。ほんっとうに失礼だが、こういう方と……例えば中村歌右衛門のような方の「ホルモンバランス」って、どうなっているのだろう。割合はどうなっているのか。




・こちらもよろしく→「白央篤司の独酌日記

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