「実録! 世界の悪女列伝」(3/11放映・テレビ朝日系列)


 アニータ・アルバラードトーニャ・ハーディングなど、世界の悪女を紹介ということで一瞬ワクワクしましたが……いやーつまらなかった! 少なくとも私は楽しめなかった。悪女の人選はベタだし、司会の和田アキ子やコメンテーターのツッコミもゆるく、再現ビデオの安っぽさといったら……スタッフには澁澤龍彦の「世界悪女物語」でも一度読んで勉強していただきたい。

 まあ、「期待するほうが悪い」というレベルの番組でしたが、唯一「デヴィ・スカルノ」のコーナーだけは結構笑わされるところ満載。若い頃の美しい映像をタップリ見れたのも貴重な経験でしたがですが、変わらぬ「放言」の数々がまあ……サイコーでした。ハレルヤ・デヴィ!
「唯一パリ社交界の花形となった日本人女性、それがデヴィ」
 というキャッチコピーで紹介された彼女、我々の露知らぬ世界をこれでもかと紹介して下さいます。
 ちょっとここで振り返ってみましょう。


●「(パリ社交界は)
働かなくても最低2億円の年収がないと入れないんじゃないかしら


 アメックスのブラックカードってこのぐらいなんでしょうか。デヴィに認められるには、不動産やら株式収入が最低このくらいないとダメなんだそうです。


●「(パリ社交界は)
毎夜華麗なる『恋のさやあて』が繰り広げられていたものです


 源氏物語の世界がいまだ綿々と……なんてロマンティックな! というかこの発言を持ってパリ社交界全体がそうだと信じていいものなのかどうか……。


●「(パリ社交界にいる頃は)
私は毎日、プライドの高い女の鼻をへし折ってやりたいと思っていたものです


 見上げた心構えとしか言いようがありません。コパカバーナで鍛えたアイアン・プライド。しかし折角一流の人間が集まっているのですから、もうちょっと違うことやってもいいような気がしますが……。


●「(鼻をへし折るためには)
素晴らしい殿方を惹きつけることが大事なのです!


 この理論は「プライドの高い女を見返すためには、その彼氏をブン取る」という前提で話されてました。普通にコメントしちゃいますが、これがデヴィじゃなかったら「あんたロクな死に方しないよ」と言われるに違いありません。
 さてデヴィ、続けて惜しげもなく「素晴らしい男を惹きつけるためのテクニック」を番組中に披露してくれます! さてどんなテクなのか!? 大統領をも落とすテクは叶恭子を凌駕する真髄があるに違いないッ!


●「(意中の人の気を引くには)
 さりげなく殿方の側で、ハンカチを落とすのです。『私っておっちょこちょいなの』というところを見せるのですね、つまり『守ってあげたいと思わすのです』」


 結構な昔、「ワニブックス」でしたか、よく「HOW TO SEX」みたいな本が刊行されていました。「ベッドインまでのテクニック・序章―出会い―」でもデヴィは熟読したのでしょうか。そ、そんなんでいいのかッパリ社交界!? ワニブックス的感性がよもやフランスで通用するとは思いませんでした。まあデヴィでこその美貌と知性があってこそ有効なワザなのでしょうね。しかしながらデヴィ、結構40年前ぐらいの少女漫画にのめり込んでいたとしか思えない発言……。


●「(落としたい殿方が『こっちに気がある!』と思ったら)
さりげなく電話番号を書いたメモを渡しましょう。早く会いたいときは待ち合わせ場所を記したメモも効果的。
あ、絶対メモに名前は書いてはダメよ!証拠の残るようなことは絶対ダメ


 このコメント、男言葉にして「殿方」を「女」に変えたら「羽賀研二」のコメントにも聞えます。飲んでいるのが「ブランデー」か「シャンパン」の違いはあれど、二人ともなぜか「おっさん」臭い気がします。パリ社交界なのに。


●「(振り向かない殿方がいたら?)
『フトモモを密着させましょう』。
フトモモをつけると男性は感じるものなのですねえ


 おっさんじゃありませんでした。ただのセクハラオヤジでした。


●かつてのアバンチュールも大披露!
 とある英国のパーティにて。気に入った大富豪を見つけたデヴィ夫人
「早く私をどこかに連れて行って!」と(このナンパもスゴイが)せがむやいなやその富豪、
彼ッたら自家用ヘリをパーティ会場まで呼んで、その足でヒースローまで飛んで、ジェット機に乗り換えてカリブ海まで行ったんざんすのよォ」そして高笑い。怖い。


 これは一種「上沼恵美子」に通じるホラと聞こえなくもないし、「プリンセス・テンコー」にも似た芸風をも感じますが、デヴィ夫人の場合はすべて「真実」なんでしょうね。パスポートやらイミグレーションという懸案をすべて無視してワールドワイド。だって彼女は、デヴィ夫人なのだもの。このスケールと壮大な世界の社交界をいつまでも私たちに教えて下さい、デヴィ!
 はーお腹いっぱいだ。失礼しました。


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●追記
パリ社交界なんて知るべくも無いが、私が子供の頃は「大屋政子」というタクシー会社の社長夫人があちらに豪邸、というかお城を購入し、商売をはじめ社交界でも活躍していたという噂を聞いたような。独特のキラキラ・ファッションとトークで人気者だった。亡くなられてもう何年になるかなあ……。


今日の一食
四谷・「麻辣房」の坦々麺
http://www.ma-ra-fan.tokyo.walkerplus.com/



四ッ谷駅すぐ近く、1階が三井住友銀行のビルの地下にあり
パッと通っただけではまず入ろうと思わないような
目立たない場所にあります。が、なーんか気になって
「賭け」で入りましたがコレが正解! 本場っぽい味と
濃厚な胡麻味噌、そして山椒のスパイシーな香りと唐辛子と油の旨味を
堪能できます。麺も立派。本格的で嬉しい限り。
オマケでついてきた春巻きは「?」な味わいでしたが麺だけで許します。
だからちょっと点心を頼むのは怖いかな、まずはこの坦々麺をお試し下さい。
あ、辛いのがちょっと不安な人には絶対オススメしません。